アメリカのホームドラマ
昔、昭和30〜40年代、まだVTRが無かった頃、TV番組といえば、生放送かフィルムで撮ったドラマや映画を流していた。

その頃は、今と違いアメリカから買った多くののテレビドラマが放映されていた。
中でも西部劇が多く、日本でも人気があった。
『ローンレンジャー』、『ボナンザ』、『ララミー牧場』『アニーよ銃を取れ』、『ローハイド』、『名犬リンチンチン』、スティーブ・マックイーンの出世作『拳銃無宿』などの人気作品が目白押し。

そういった西部劇などは日本の『水戸黄門』のような時代劇と同じで、おとぎ話のような、いかにも芝居という感じで、ハラハラドキドキ、最後はめでたしめでたしで終わり、現実感は無かった。

そういった西部劇や『コンバット』などの戦争物の他に、アメリカのホームドラマも数多く輸入され放映されていた。
『パパ大好き』、『うちのママは世界一』、『パパは何でも知っている』、など、他にも『アイラブルーシー(ルーシーショウ)』、『奥様は魔女』、『じゃじゃ馬億万長者』などのコメディの人気作品も多かった。

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西部劇のような現実感の無いドラマと違い、これらのメイド・イン・USAのホームドラマが与えたインパクトは凄かった。
そこに出てくる威厳がある父親や美しく優しい母親は子供達から尊敬されていて、なんと言っても、ドラマの中に出てくるアメリカの豊かさに、打ちのめされた。

こっちが、半ズボン姿で近所の路地裏や原っぱでゴムボールの三角ベースをやっている時に、アメリカの子供は、リトルリーグでピカピカのユニホームを着て、綺麗な芝生のちゃんとしたグランドで試合している。
しかも、夏はボーイスカウトでキャンプに行き、冬は家族でスキーだ。
ボーイスカウトなんて家の方じゃ、金持ちのおぼっちゃまが入るもんだと思ってたが・・・、家族でスキーに行くなんて日本じゃ加山雄三の家くらいだと思っていた。
レジャーと言えば、わが家じゃせいぜい近所のヘルスセンターだ。

広い庭と大型犬が走り回れる大きい家に、またがって滑り降りられる手すり付き階段、大きいソファに座って家族みんなで見る大型のテレビ、タンスのような大きい電機冷蔵庫、電機洗濯機、電機掃除機などなど・・・。

ブラウン管の中の夢のような暮らしを丸いちゃぶ台で、目玉焼きを食べながら口をあんぐりさせていたものだ。
テレビの中の綺麗な『ママ』がお洒落なエプロン姿で料理をしている横で、自分の母親が割烹着姿で、畳の上をぞうきん掛けしているのを眺めていた。

大人達は、「こんな国と戦争して勝てるわけが無い」と誰もが思ったと思う。

戦争を知らない子供達にとって強くて大きいアメリカは、憧れの国だった。

そういうアメリカ産のドラマの刷り込みがあったせいかは分からないが、その後の日本は世界中の人達から『エコノミックアニマル(人間じゃない)』と呼ばれるようになる程、物質の豊かさを求めて働き続けて、ちゃぶ台は無くなちゃったけどアメリカのホームドラマのようにはならなかった。

貧しくても、豊かだった心が無くなり、今更、『ゆとり教育』などとやってみたが、学力だけはアメリカ並みになってしまったが・・・。

総理大臣の名前くらい覚えてくれよ・・・
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by xfazz | 2005-04-06 11:00 | A Fairy Tale
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